檜枝岐歌舞伎 やるべぇや
福島県の山奥に人口630人の小さな村、檜枝岐村がある。
江戸時代後期、村人がお伊勢参りに出かけ、歌舞伎に出会う。
それを村唯一の娯楽に取り入れたのが、「檜枝岐歌舞伎」のはじまり…。
古典そのままの浄瑠璃を口伝、子々孫々伝えてきた中に現在はここにのみ受け継がれている型や振りがある大変貴重なものです。
村の鎮守祭における奉納芝居であり、村人で構成される<千葉之家花駒座>が上演しています。
長年続いてきたこの文化を消さないために、毎日のように行われる稽古。
後を継ぐ者たちのため、座員の指導にも熱が入る。
上演の日に向け、歌舞伎の魂を守ろうと、真剣に取り組む若者達-。
そんな日々を、尾瀬の美しい大自然、支えあう村人達の暮らしが包み込む。
村の中学生達が文化祭で歌舞伎を演じることになる。
本番まで一ヶ月半。花駒座の指導によって、何もわからない生徒達はどう変わっていくのか・・・?
文化祭の日が近づいて来る。
思いを込め、歌舞伎を通し「生きること」を伝えようとする花駒座の姿と、
瑞々しい少年少女たちの心の変化と成長を、カメラは追ってゆく。
失われつつある大切なもの、古き良き日本がここにあります。
一つの家族のようなこの村の、語り合いたい感動の記録です。